
石神井公園で地元に愛されるケーキ店「パティスリーカシュカシュ」を切り盛りしている江藤さん夫妻。今回は後編です。
奥様と結婚しようと決心したきっかけは?
潤さん:
付き合っていく中で、お互い違う職種だったら、当然、相手の環境にも男性がいるわけで、何かしらで仲良くなったりする可能性もあるから不安要素がありますよね。お互いに信じているからそういうことはないとは思いますけど、でも男って自分の近くに置いておきたいじゃないですか。
一緒にいて、僕に魅力がある限りは大丈夫かなって思ったんですね。
結婚を申し込んだら受けてくれるんじゃないかなって。
彼女と一緒にいることが一番落ち着くし、ただのドキドキワクワクだけじゃなくて、それに安心感が加わった感じでした。
今までは、付き合ってしばらくするとマンネリ化するけれど、「もっと一緒にいたいなと」思ったんです。けっこう飽きっぽい僕が、彼女にハマっちゃったってやつ。
なんか、彼女のポーッとしている所が、雲みたいなふわふわしている所が、気になるというか、守ってあげたいなっていう感じ。でも、実はこっちも彼女に守られているって感じがした。
お互いに守り合っているような感じがしましたね。僕は自分のペースを乱されたくないんですね。自己中だけど(笑)
彼女がそんな僕のペースについて来てくれたっていうところが良かったんです。
奥様は彼と実際付き合ってどう思いました?
智恵子さん:
彼といると安心しましたね。なんにもしゃべらない時間ができたとしても、沈黙が訪れたとしても、それが心地いいというか。
この雰囲気が、この時間が・・・一緒にいられてると思うとうれしくて、日付けが変わっただけで「ああ、この日も一緒にいられた!」って感じていました。
私の中では、結婚することが自然・・・って。
潤さん:
付き合っていく中で、最初はお互い気を使っているからいいけど、慣れてくるとだんだん気を使わなくなってくるじゃないですか。その慣れてきたときに、相手に自分のペースの流れを変えられちゃう。
逆に、相手も僕に気を遣っていたのかなってわかるじゃないですか。そうなると、僕も相手に気を使わなきゃならなくなる。そういった関係ってお互いに疲れるんじゃないかなって思う。
僕はそういう時には距離を置くようにしているんです。
距離を置いて、また、会いたくなったら近づくっていう感じ。
それは結婚してからも同じ?
智恵子さん:
結婚してからも同じ。でも最初に言われたのは「俺は喧嘩しても、怒っても、5分から10分時間空いたら声かけてって。それまでは一人にさせてくれって」。
最初に喧嘩した時にそう言われたので、そういうことかって納得しましたね。自分の世界に入りたいっていう時には邪魔しちゃいけないなって。
それではじめは、ジーっと待っていたんですけど、5分も待てないんですよね(笑)
今でもその約束は守っているの?
智恵子さん:
守ってないですよ(笑)
でも、そういえばそんなこと言っていたなと思い返しますね。最近は何時間か経ってからとか、時間を空けてみたりしています。連絡がつかない時は、まだ話す気になれないんだなって。まあ、事故などが起こった時には連絡が来るはずだから、それまではしょうがないかと。
最初の頃は、もうこれで終わりなんじゃないかとか不安に思ったこともあったけれど、今は慣れてきて、「きっとまだ怒っているんだなあ。怒らせちゃったから仕方ないか」って思って待ちます。

石神井公園パティスリーカシュカシュ
東京で独立することに決めたのはいつですか?
潤さん:
大阪で3年くらいしたころです。関東圏内にお店を出したいっていう思いが漠然とあったんですが、たまたま、都内で良い物件がみつかったんです。
それで、こっち(都内)にお店を出すことが決まりました。
奥様はお店を出すことはどう思ったのですか?
智恵子さん:
独立は大阪に行く前、付き合うときに彼から言われていたのでわかっていました。
潤さん:
大阪修行は長くても4年って決めていました。大阪で働きながら、良い店舗物件を見つける為に度々上京していたんです。
そしたら、この石神井公園の物件に出会った。
最初はほとんどの人に反対されましたが、僕の唯一尊敬する方が「この物件はすごくいい。絶対に成功するから店を出しなさい」と後押しをしてくれたんです。
「奥さんが反対しているなら、説得してあげるから」って言ってくれて。
智恵子さん:
本当に良いアドバイスを頂きました。あとで反省しましたね。
私まで反対しなければよかったって。彼を一人ぼっちにさせちゃったなって。
彼の心は決まっているのはわかっていたので、「あなたがここに出したいんだったら、私はついていくだけだから。一緒に頑張ろう!」って言いました。
潤さん:
石神井公園の前っていうロケーションのお店だから、スタイリッシュなお店というよりも、キャラクターがあるかわいいお店にした方がいいんじゃないかと二人で話し合いました。
最初にショーケースとオーブンの色は僕が決めて、それを基調にイメージカラーが決まっていった感じです。
その頃、お互いが好きな雑貨屋さんのキャラクターが可愛いねえって。心理学でも、「うさぎ」は小さなこどもに親しみやすい感じだったことから、うさぎをキャラクターにしようと決めました。
焼いているケーキなど、オーブンの中身がお客様からも見えるようにしたり、店内でお客様が自然に右に動けるように、うさぎの足跡を店の床につけたりと、お客様も楽しめるように工夫しました。
お店のドアもディスニーランドのトゥーンタウンのドアのように作ったり。
智恵子さん:
オーブンでシュー皮が焼けている様子をお客様が見て、私達に声をかけてくれたりと、お客様との良いコミュニケーションが出来ています。

長続きのヒケツは・・・?
現在、結婚何年目?
潤さん:
5年目です。
お互いに点数を付けたら何点?
潤さん:
付き合い当時は92点くらい。子どもが生まれたときは72点だな。理由は僕がほったらかしにされたから(笑)
今は80点。僕の一人の時間が多く持ててるから。
智恵子さん:
点数化ですか? 逆に難しいですね。
付き合った当初は彼の事「神様」かとまで思っていたんですよ。本当に100点満点。私の両親からも「彼は神様みたいな人ね」って言われていました。
家事は良く手伝ってくれていましたし、妊娠中は良く手を繋いでくれました。娘が生まれてからも本当に良く助けてくれました。
でも今は、お店が大切ですから彼も忙しいじゃないですか。
クリスマスなどの多忙な時期は、本当に人手が足りないくらい忙しいので、お正月10日くらいまでは、娘だけを千葉の実家に預けているほどなんです。今は90点くらいかな。
10点分のマイナスの理由は、彼のマイペースさは別にいいんですけど、何時に出ようとか、何時に何しようと決めてもなかなか腰を上げてくれなかったり、というところ。
これから結婚する若い方へむけてアドバイスは?
潤さん:
二人で一緒にいて楽しいって感じるんだったら一緒にいた方がいいと思う。でも、少しでも不安を感じるんであれば、お互いそれを解決して、前向きにいけばいいんじゃないかなって思います。
智恵子さん:
けんかを恐れて、お互いにストレスを溜めちゃうカップルっているじゃないですか。
でも、けんかしなきゃお互いの本音を聞けないし、言えないって思うから、けんかを恐れないでいっぱいけんかしてほしいです。でも、けんかのあとには必ず「仲直り」してください。
仲直りでもっと愛が深まると思うから。
潤さん:
でも、けんかは長く引きずらないように。
仲直りするだけじゃなく、お互いに納得して仲直りしてほしいですね。
パティスリーカシュカシュの美味しいケーキのような、甘くて笑顔がいっぱいの楽しいインタビューになりました。ありがとうございました。
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パティスリーカシュカシュ
東京都練馬区石神井町3-2-8 レイクサイド石神井公園
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<完>
インタビュー 2013年3月27日
パティスリーカシュカシュ 江藤潤さん・智恵子さん
パティスリーカシュカシュ 江藤潤さん・智恵子さん
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