
不完全な自分を支えてくれるのが結婚っていう形であって、お互いに足りない所を補うのが結婚なんじゃないかなあ。今回は後編です。
忙しいと喧嘩なんてしている暇はないですね。
美和子さん:
喧嘩は・・・仕事の事ではあります。
良一さん:
仕事のことで喧嘩になっちゃうことはありますね。
美和子さん:
「段取りが違う」だとかね・・・そうすると「こうじゃない」とかって。
良一さん:
うん。でも大体、子どもの話で仲直り。 もう、喧嘩していても、子どもが帰ってくると「もう行かなきゃ」みたいな感じで喧嘩やめようって。
美和子さん:
子どもの事が気になっちゃってしょうがないんです。部活とかで子どもが帰ってきたりすると。だから、喧嘩もあまり長く続かないですね。一瞬一瞬は頭に来ることはありますけれどね。
「もうーまったく!」なんて思いながらも、忙しいからそれに流されちゃって。で、階上に上がると、「お疲れ様ー」って、結局元に戻っちゃって・・・。毎日そんな感じ。
だから長く喧嘩することってないんです。
良一さん:
子供がいなくなっちゃったらどうなるんだろう?
美和子さん:
さびしいと思いますよ。
良一さん:
もう一人くらい欲しかったね。
美和子さん:
子供はたくさん欲しかったんです。暇があったら子どもの部活の試合も見に行きたい方だし。
良一さん:
そうそう。
美和子さん:
お客さんには、あと何年かしたら孫で良いんじゃないって言われるんです。
良一さん:
PTA会長もやっちゃう。孫の(笑) 教育爺さんになっちゃう。
美和子さん:
今は2番目の子がラグビー部で、朝5時半に出るから、4時半に起きてお弁当作って・・・。睡眠時間3時間なんです。
3人の子どもに明日は何時?って聞くのが毎日の日課です。起きる時間を確認して・・・。
彼は私が出来ないときはやってくれますけど、起こしているのかなと思ったら、一緒に寝ていたり(笑)
良一さん:
俺は、ちょっと子どもっぽいんだよな。社会人っぽくないっていうか。サラリーマンをしてないし。
美和子さん:
彼は外で働いてないし、大学卒業してからずっと職人なんで。
良一さん:
しかも家でしょ。だからなんとなく子どもっぽい。わがままだしね。で、俺って、ずーっといろんなことしゃべってるの。二人でいても家族ででも。
いつもしゃべってるから「パパうるさい」って娘に良く言われてるよね。朝からテンション高すぎって。
美和子さん:
そうそう。そうだ、最近の喧嘩はね、あんまりしゃべるから返事するのがめんどくさくなっていて、「返事は?!」ってよく言われる。
良一さん:
そうそう。それで喧嘩になるの。「お前、返事しなかったなあ、また返事しない!」って。そうすると、「だってその話、さっき聞いたし」って言われちゃう。
「でも、さっきの話とちょっとニュアンスが違うんだから返事してよ!」って(笑)
美和子さん:
ほんと、飲まなくてもずーっとしゃべっているの。めんどくさくなっちゃって・・・返事するのが。「わかったわかった」って・・・。
良一さん:
仕事終わってからもしゃべって、ずっとしゃべってるから・・・。
飲み屋さんにいってもそこでずーっとしゃべってて喉が痛くなるくらいしゃべってる。
美和子さん:
そう、しゃべり疲れて帰ってくるの。

焼きもち焼きなのはお互いさま?!
コミュニケーションが長続きのコツ? なのかもしれませんね。お互いの事はあまり気にならない?
良一さん:
うーん、でも俺は焼きもち焼きなんですよ。彼女を一人では一回も飲み会は行かせたことない。厳しいんです。
美和子さん:
そう。一回もないんです。子どもと一緒というのはあるけど。
良一さん:
俺は年中遊んでるけどね。
美和子さん:
でも、夫婦で一緒に飲みに行くのはいいので、夫婦で良く飲みに出かけます。
良一さん:
年中一緒に行ってる。週に2回は一緒に飲みに行ったりしてるねー。
美和子さん:
でも、普通に他のお母さんと飲みに行ったりとかは一度もないんです。
良一さん:
そう。結婚してから一度も!
それに関して不満はないんですか?
美和子さん:
今のところは特別不満はないです。要するに仕事で「いっぱいいっぱい」なんです。
良一さん:
なんだかんだで俺のこと好きなんだよ(笑) いつも一緒に居たいんだよね。
美和子さん:
えーっ! そういわれると・・・困っちゃうんだけど。
良一さん:
だってそうじゃない?! 俺が一人でふらふらって飲みに行っちゃうと、怒って電話かけてきて「何してるの!」って、スナックに怒鳴り込みに来るんですよ。
美和子さん:
意外とフラッといなくなっちゃうんですよ。どこどこに行くーって言ってから出かけるならいいんですけど、何も言わないでいなくなっちゃう時が割とあるんです。 今どこにいるのかなーって。
良一さん:
それで、怒ったら言いたいことはなんでも言わないと気が済まないから・・・。
美和子さん:
すぐ私も言っちゃうからね。
良一さん:
着信が一分おきに入ってて。どこに行った? って。
美和子さん:
忙しいからとかっていうんじゃないんですけど・・・忙しかったら呼ぶしね。どこにいるのかわからないし、その店から次の店に行ってていなくなっちゃうし。
でも、大体歌ってることが多いかなーどこかのカラオケで(笑) ほぼ歌ってるわよね。
良一さん:
うん。歌ってるねー。
お互いに相手に点数をつけるとしたら何点?
良一さん:
俺は・・・彼女には100点。うん。100点、100点!
美和子さん:
相手にですか? 点数・・・どうだろう?
良一さん:
ああーきっと低いよね? 50点? 30点くらい?
美和子さん :
うーん30点! 赤点ね!
良一さん:
赤点?! えーっ?! 追試?(笑)
美和子さん:
そう追試系! ちょっとシビアに(笑)
良一さん:
俺の事「私がいないとダメな人」って思っているんでしょ?! ふらふらっていっちゃうと心配みたい。朝まで帰ってこないんじゃないかとか、女性と何かあるんじゃないかとかね。心配してほんとに怒鳴り込みに来るんですよ。「なに調子に乗ってるんだよ!」って。
彼女は思ったことは何でも言っちゃうから。
家族で食事をしていた最中に「PTAの集まりで飲んでるからおいでよ」って連絡が来て、家族の食事会の途中だったのに、そっちに行っちゃったことがあるんです。
彼女は俺が楽しそうに行っちゃったことが頭に来たみたいで、その当時の会長に「あなた?うちの旦那呼んだの?って」怒って言いに来た。これ、もう有名な話で、今は笑い話になってるけど。
美和子さん:
その会長さん、今はもううちの常連さんになっていますよ!(笑)

これから結婚する人たちへ「不完全で良いんだよ」
最近、ご夫婦での楽しかったことはありますか?
良一さん:
先日、伊香保に夫婦だけで旅行に行ってきたんです。やっといけるようになったんです。家族旅行はよく行くのですが、夫婦二人でというのは初めて。
お姉ちゃんは大学生になったし、その下の弟たちも高校、中学だから、そろそろ子どもたちだけに家事をやらせてみようかって、二人だけで行くことにしたんです。
美和子さん:
そうそう。それがきっかけです。
子どもって親がいないと、意外とやるんですよね。大学生のお姉ちゃんも、弟の部活の洗濯物をちゃんと洗ってくれていて、意外としっかりやってくれていました。1泊だけだったんですけどね。
新しいメニューを作るのに、何か刺激を受けにいこうと思って・・・というのもあって、本当は大阪に行くはずだったんですが伊香保になってしまったんです(笑)
良一さん:
僕は大阪の桜の宮でうどんの修行をしていたことがあるのですが、大阪って安くて美味しいものがいっぱいあるでしょう? だから新しいメニューのネタを探しがてら行こうかって話していたのですが、寝坊しちゃって・・・伊香保になっちゃいました。
でも、貸切露天風呂が6か所くらいあったので、楽しかったですよ。いろいろなお風呂に入ってゆっくりしました。
美和子さん:
彼はお風呂が好きで毎週よく出掛けて行っているんです。
良一さん:
いつも二人で。休みが一緒なんで。
いつもご夫婦一緒にいるっていうことですよね?!
美和子さん:
朝から晩までずっと一緒です。みんなから「よく飽きないねー」って言われます。
良一さん:
子どもが帰ってくるまで限定ですが。別々に過ごしても良いよって言っても一緒に居たがるの(笑)
これから結婚する人たちへ何か伝えるとしたら?
良一さん:
俺、思うんだけど・・・不完全で良いんだよ。不完全な自分を支えてくれるのが結婚っていう形であって、完成された人間同士が結婚するんじゃあなくて、お互いに足りない所を補うのが結婚なんじゃないかなあ。
だから、俺たちも性格が全然違うもんね。どっちかって言えば、俺は神経質で、彼女はおおらか。
美和子さん:
そうです。まるで逆なんです。私は気にしないけど、「少しは気を遣えよ」っていうのが彼の口癖です。
気が利かないのが私で、気をまわし過ぎちゃうのが彼ですね。だからいいのかもしれませんね。
良一さん:
うん。そうだね。
「結婚は責任を持てるようになったら」ってよく言うけど、そうじゃなくていいんだと思うよ。責任は結婚したら二人ではぐくむものだから。
美和子さん:
そうね。結婚って「日々成長」だもの。
良一さん:
そうそう。本当にそうだね。
お子さんが成長していって子離れしたら、夫婦二人で何をしたいですか?
良一さん:
静かに暮らしたいな。ふたりでな。今はガチャガチャしてるから。
本を読んだり湯治場いったりね。ご隠居みたいに。
現実的な話、彼女の実家は古い酒屋さんで享保年間くらいから続くお墓も守らなきゃならない。だから、もしかしたら65歳くらいで俺が養子になっちゃうかもね。柏で静かに暮らしたいけど・・・。
美和子さん:
静かに・・・それは絶対無理よ。誰か必ず人が来ちゃう。楽しいけれどね。
料理上手な奥様と共に、仲良く二人三脚でこれからもどうぞお幸せに!
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和食居酒屋「小麦屋満月」「御菓司満月」
練馬区大泉学園町7-14-26 中西ビル
営業時間:昼・午前11時から午後3時/夜・午後5時から午後10時(ラストオーダー)まで
定休日:火曜日
大泉学園の「満月」さんは、昼は和菓子店と和食を、夜は雰囲気の良い居酒屋を営んでいます。「和菓子屋なのにめちゃくちゃラーメンが美味しい」と練馬では有名なお店。
特に「月麺火山」(激辛肉もやし)という激辛ラーメンがおすすめ!
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<完>
インタビュー 2013年5月27日
満月堂 中西良一さん・美和子さん 結婚のきっかけ
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